レポート: 未来スケープ発足の背景(11) 〜 社会人インタビュー「人生シェアリング」

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社会人インタビュー「人生シェアリング」

全員に共通したひとつの答えがないこれらの課題に対して、いったいどのような改善策があるでしょうか。

自分で考えることしか解決策がないのなら、その各自の行為を促し、サポートすることだと考えました。同じ問題意識を持つ方々との話し合いを通じて、現役社会人のインタビューというアイディアに行き着きました。

現役社会人のインタビューを数多く実施しWebサイト上で公開することで、若い人たちが多くの人生を疑似体験できるのではないかという考えです。インタビューを通して現役の社会人がそれぞれの人生の節目でどのような考えで進路や生き方を決めたのか、どのような影響を誰から受けたのか、そして今現在はどのような状況になっているのか。親の人生だけではなく、他の大人の人生のストーリーに触れることで、自分自身の人生に重ね合わせて未来のシミュレーションを行うきっかけになるのではないかと思いました。

そしてこれを「人生シェアリング」と名付けました。そしてこの人生シェアリングのアイディアが「未来スケープ」イニシアティブを始めようと思った理由です。

人生シェアリングの対象者

人生シェアリングは単なるインタビュー記事ではなく、若い人が自分の人生をシミュレーションをするためのツールだと捉えているため、インタビュー対象者には下記の条件を設けました。

  • 著名人ではなく一般的な社会人であること
  • 社会人には専業主夫・主婦も含めること
  • 出身地域にばらつきを持たせること
  • 職業にばらつきを持たせること
  • 最終学歴にばらつきを持たせること

特に第一点目の一般的な社会人を対象にすることは必須だと考えています。スポーツ選手、芸能人、有名企業経営者などの著名人のインタビュー記事は世の中にたくさんあります。そのようなインタビュー記事は読んで面白く、感銘や感動を受けることもありますが、多くの若い人にとって自分の人生と地続きだとは考えづらいと思ったからです。自分が今いる場所の延長上にある人生、こういう人生になるかもしれないと思えるような一般社会人の人生でなければシミュレーションを喚起することは出来ません。未来スケープの人生シェアリングを読んでいただければわかりますが、一般的とは画一的ではありません。社会人の人生は十人十色で2つと同じものはありません。リスクに対する考え方やワークライフバランスの捉え方なども人により異なっています。そのことを「シェア」したいと思いました。

インタビュー対象者の人選

後の項で述べますが、未来スケープには200名を超えるサポーターの方々がおり、現時点では主にサポーターご自身や、サポーターからの紹介、そしてクラウドファンディングにてインタビュー対象者の推薦権を販売することでインタビュー対象者を募っています。その中から上述の条件に沿って順番を決めてインタビューをしています。

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