佐藤 裕貴

0007

  • 年齢33歳

  • 出身地 東京都

  • 結婚 独身

  • 海外経験なし

  • 職業 会計士事務所勤務

  • 勤務地 東京都

  • 会社名非公開

  • 出身校 千葉経済大学修士

  • 専攻 経済学部

Image Title

3 Points

小学校から続けたバドミントンが人生の財産に

税理士を目指して大学院進学。就職難でバイトからスタート

会計士事務所で働きながら、自分のやりがいについて考える日々

岩田真一

聞き手

岩田真一

Read more


地元について

Q 佐藤さんの生まれ育った地元について教えて下さい。

東京といっても郊外の青梅市の生まれです。中学校までは地元の公立に通っていました。夏暑くて冬は寒く、自然が豊かです。自分でも好きなところで、将来的に子育てなどにはとても向いているんじゃないかなと思います。車さえあれば生活はしやすい場所です。高校で都会育ちの同級生の話を聞いて「クワガタを買うの?」と驚きました。

自分の生まれた場所は良かったなと思えるのは素敵ですね。

郊外で自然は多かったですが、1時間ちょっとで町田などの市街地には出られるし、都内にも行けます。ですから、都会については知っていたので、元々都会に対する漠然とした憧れのようなものが無かったんでしょうね。

Q 大学までずっとスポーツをやっていたそうですね?

はい。小学校の頃から割と本格的にバドミントンをずっとやってました。小学校入学時たまたま近所に引っ越してきた友人の影響で始めました。その友人のお母さんが全国優勝しているような人で、お互い小学校に入りたてで友達もいなかったのですぐ仲良くなり、バドミントンを友人のお母さんに一緒に教えてもらっていました。

中学生

Q 佐藤さんは公立中学に通われていましたが、中学受験する人は多かったのですか?

多かったと思います。おそらくクラスの1/4〜1/3の人は中学受験をしたのではないでしょうか。理由として考えられるのは、学校がわりと暴力事件もあったり、治安がいいとはいえない環境だったからかもしれません。それで心配する親が私立に行かせたかったんじゃないかと思います。僕の場合は経済的な理由もありましたが、普通にそのまま地元の公立中学に進みました。中学でもバドミントンを続けました。中学時代、選抜メンバーが集まる強化練習で出会った友人たちとは今でも毎年キャンプに行くほど仲が良いです。きつい練習を一緒にやったり、皆同じ方向を目指して頑張るので、深く繋がる友人が出来やすいのも、スポーツの良さの一つだと思います。

高校受験

Q 高校選びについて教えて下さい。バドミントン中心で考えたそうですね?

はい。自分の学力レベルとバドミントンの良い指導者がいるかどうか、の両方の観点からとある私立高校を選びました。学力的にも自分にはギリギリくらいの高校だったので、合格した時は嬉しかったですね。高校時代もバドミントン漬けでしたが、勉強の方も厳しい高校で、赤点取ったら試合に出られないルールがあったので、皆勉強も頑張ってました。練習は水曜日が休みの週6日。土日は試合が多かったです。

大学受験

Q 大学もバドミントンで選んだんですか?

実はバドミントンは高校で辞めようかなと最初は思っていたんです。でも、最後の試合(関東大会)で団体で負けてしまったり、インターハイ予選でも不完全燃焼だったりと、どうしようかなと思っていました。そんな時に、大学のバドミントン部の監督がたまたま知り合いで誘われ、大学でも続ける決心をしました。

Q その時の大学受験はいかがでしたか?

自分は元々理系だったのですが、大学では理系だと練習時間が確保できなそうだったので文系へ転向して受験しました。本当にバドミントンを中心にすべてを考えていた感じです。

Turning Point

大学院修士

Q 佐藤さんは修士過程まで行かれていますが、文系では珍しいのではないですか?大学院まで行かれた経緯を教えて下さい。

バドミントン部の活動が大学3年生で一区切りとなり、家族で進路について話し合う機会がありました。会計が強い大学だったので、税理士を目指そうということなったんです。なぜ大学院に進んだのかというと、修士卒だと税理士試験の必要5科目中2科目が免除になるからです。ですので、大学院での勉強はもっぱら税理士試験対策でした。

Q 修士時代の生活はいかがでしたか?

人生で一番貧乏でした(笑)。仕送りもなかったので辛かったですね。兄はすでに社会人で、埼玉に住んでいましたので、兄を頼ってアパートに転がり込んで何とか住む場所は確保した、という状況でした。大学院自体も親からお金を借りて自分のお金で行っていました。日雇いバイトなどで生活費を稼ぎながら勉強する、という生活でした。まあ兄のアパートの近くに祖母が住んでいたので、いざとなったらご飯は食べられるので飢え死にすることはなかったでしょうけど(笑)。

就職 都内会計士事務所へ アルバイトとして

Q 現在の会計士事務所へ入った経緯、就職活動の状況について教えて下さい。

卒業のタイミングはとにかく景気が悪かったんです。6ヶ月ずっと就職活動していましたが、体調崩して入院したりしたこともあり卒業のタイミングでは就職が決まっていませんでした。これは偶然ですが、両親が営んでいる飲食店でアルバイトしていた方のご紹介で、今の会計士事務所のアルバイトする機会をいただきました。

Q 最初はアルバイトからだったのですね。社員になる確約はあったのですか?

いえ。確約はなく約2年間アルバイトとして働きました。不安はありましたが、その間に基礎的なことは学べたし、社員と一緒にお客さんの前にも出ていたので、仕事はとても楽しかったです。仕事も徐々に任されるようになり、感謝しています。そうして2年ほど経った頃、社員になりました。

会計士事務所 正社員として

Q 税理士の資格試験は現在も頑張っているのですか?

そうですね。ただ正直モチベーションがそれほど上がらないのでどうしようかなと思っています。バイト期間を入れると7年ほど現場で仕事をしながら税理士試験の勉強を続けていますが、試験の内容って実務で使わないことばかりなんです。なんとなく「ふるい」にかけるような制度になっている気がして、それより目の前のクライアントの問題解決している方が充実感があります。

Q 実務に支障をきたすことなく仕事ができている今の状況で、税理士資格を取るメリットはどの辺りにあるのですか?

まず事務所に所属している限り、資格の有無で給料は変わりません。必要になるのは独立する時ですね。あとはクライアントと会う際の第一印象でしょうか。税理士かどうか、という。ですから今は「取っといても悪くないのかな」と思う程度です。自分自身収入にはそれほどこだわりはありませんし、仕事が楽しいかどうかが重要なので資格に対する興味が薄れている状態です。

Q 税理士という仕事自体にもこだわりがなくなってきているんですか?

数字が好きなのでそれを活かせるようなことには携わりたいと思っていますが、業界自体にはこだわりはありません。クライアントも様々な業種の人や、多様な働き方をしている人がいて、今は他の可能性も模索しています。

Q 当初このお仕事が楽しかったとおっしゃっていましたが、今はどうですか?佐藤さんが「楽しい」と思うのはどのようなお仕事なんでしょうか。

新しいことにやりがいを感じます。マンネリ化してくると興味が下がってくるところがあります。魅力的な仕事の定義としては、上手く言えないのですが、感覚としてはバドミントンの部活のような感じかなと思います。チャレンジして向上していくこと。そういうときハードワークも全く気になりません。実際、この仕事の最初の3年間くらいは学びも多く、とても楽しくて長時間働いても全く苦になりませんでした。

Q 人によって「幸せ観」や「最大限にパワーを発揮できる状況」は違いますよね。それを自分で知ることが大事なのかもしれませんね。ところで佐藤さんは事前アンケートで「人生をある時期からやり直したい」と回答されていましたが、それはいつのことで、どうしてですか?

元々理系でバドミントンの練習時間確保で文系転向したと言いましたが、仕事やキャリアのことを考えると、そのまま理系だったら、と思うことがあります。例えばシステム工学などを学んでそちらの道に進んでいたらどうなったかな、と思うことがあります。

Q 日本ではなかなか社会に出た人が大学に戻ることがないのですが、佐藤さんの場合、大学で学び直そうと思ったりすることはありますか?

考えたことはなかったですね。でも人生は一度だけだし、やってみたいことがあればいつでもやり直せると思っているので、そういう可能性も含めて幅広く考えてみようと思います。

大変興味深いお話をありがとうございました。自分のやりがい、キャリアについて今まさに色々お考えなんですね。その後の展開について、近い将来またお話を聞かせてください。

分かりました。どうもありがとうございました。