柳澤 隆道

0003

  • 年齢41歳

  • 出身地 埼玉県

  • 結婚 既婚

  • 海外経験なし

  • 職業 IT企業勤務・アカウントマネージャー

  • 勤務地 東京都

  • 会社名非公開

  • 出身校 東京電子専門学校

  • 専攻 情報処理

Image Title

3 Points

大学へ行けばよかった

後ろ向きの転職も悪く無い

何となく興味で勉強した専門学校での知識が、その後の人生にチャンスをくれた

岩田真一

聞き手

岩田真一

Read more


地元について

Q 柳澤さんは埼玉県のご出身ですね。地元のことや子供の頃について教えて下さい。

郊外で何もないというか平和でのどかな場所で育ちました。人の数も少ないですし、遊ぶところも刺激も少ない場所でした。自然は多いので都会にはない良さはありました。最初の転職をする24歳まで実家暮らしでした。

中学校時代

Q 高校進学時の様子を教えて下さい。

あまり考えていませんでした。頑張った記憶もないし、その時の自分の成績で入れそうな高校に入学しました。思い入れも無かったですね。高校時代は何かに熱中するわけでもなく、部活もせず、勉強もせず(笑)、今思うととても自由な時間でした。

高校時代

Q 高校を卒業される際、進路はどのように考えていましたか?

当時は自分がやりたいもの、なりたいもの、目指すものも何もありませんでした。進学校というわけでもなかったので、勉強もしてないので限られた大学の推薦枠も取れなかったです。受験へのモチベーションも低く、かと言って働くのもちょっと、という理由で専門学校にしました。比較的コンピューターには興味があったので、学校にあった資料を見て、高校の内申書だけで入れて、通いやすい場所にある情報処理系の専門学校にしました。

Q 大学受験のモチベーションが無かったとのことですが、何が理由だと思いますか?

勉強ができなかったし、やってこなかったので、まず現役は無理だろう、と。じゃあ浪人するかというと、そうまでして大学に行く理由が当時は思い浮かばなかったんです。後々考えると、何が何でも大学には行っておいたほうが良かったな、と思います。

Q それはなぜですか?

就職した後に派遣先で出会った友人たちは大学卒が多くて、話を聞いていると、人のつながりや在学中に体験したことなどが豊富な印象があったからです。どうしても専門学校だと2年間ということもあるが人数も少ないし、広がりが少ないんですよね。今思うとその会社は外資系企業だったので、帰国子女や、留学経験がある人がいたり、ちょっと変わった人が多かったせいもありますね。その時は羨ましいな、と思いました。

Q ご自身は学生時代留学してみたいなと思いましたか?

全く思いませんでした。とにかく高校時代は英語が大嫌いでしたから。。必要性も感じなかったし。

情報処理系の専門学校

Q 専門学校での勉強は高校までのものとは違いましたか?

プログラミングが主体で好きだったので勉強自体は楽しかったです。ただ、Windows95 も発売されていない時代ですから、同級生はちょっと変わった人が多かったですね。パソコン大好き、ゲーム大好きっていう人ばかりで僕はあまり友だちになれませんでした。遊びに行くのは専門学校外の人が多かったですね。家でもずっとプログラミングしている同級生もいて、自分は学校が終わったらアルバイトや遊びに行ったりしてたので。そんな中、薄々気づいてきたのは、圧倒的にプログラミングが出来るヤツがいるってことでした。入学当時は「自分はプログラマーになるんだろうな」と思っていましたが、徐々に希望が変わってきた気がします。プログラマー以外がいいな、と(笑)。

Q 卒業時、就職先はどのように決めたのですか?

専門学校ですからプログラマーとして大企業からのオファーもないし、名前も知らない小さい会社がちょっとあるくらいでした。それで「だったらプログラマーじゃなくていいや」と思いました。結果的にはこれは良かったと思います。

就職

Q 情報処理とは全く異なる建築資材を扱う会社へ就職されましたが、いかがでしたか?

家から近くて車で通勤できる、という理由だけで選んだ会社でした。建築資材をCADデータを元に装置にセットするラインの作業でした。面白さはありませんでした。毎日5時半には帰れるので楽だなとは思いました。もちろん誰でもできる仕事でしたから給料も高くなく、増えていく見込も無かったので2年ほど経った頃、これじゃマズイと思って転職をすることにしました。

Turning Point

転職1

Q 転職先はどのように決めたのですか?

コンピューターの世界に戻りたいと思っていました。ただしプログラマー以外で(笑)。ちょうどその頃 Windows95が爆発的に普及したせいで、カスタマーサポートの求人が増えたんです。パソコンの知識と経験を、使い方に困っている人に教えるという仕事は自分に向いていると思いました。ここで専門学校での知識が生かされました。これなら自分にも出来そうだ、と。

Q 実際のお仕事はいかがでしたか?

正社員として入りましたが、就職した瞬間に外資系のソフトウェア会社へ派遣されました。その会社では年の近い同期がいて、自分もその一員として楽しく仕事できました。一番驚いたのはそこにいる自分と同じくらいの年齢の人たちの経験の豊かさです。色々充実してここにいるっていう感じの人ばかりで衝撃を受けました(この時に大学に行っておけばよかった、と思いました)。仕事内容はカスタマーサポートでしたが、まあ時々お客さんに怒られたりして嫌な経験もしましたが、辞めたいなと思うことはなかったです。チームのサポートもしっかりしていたし、その会社の同期の輪に入って楽しく仕事ができました。それとこのタイミングで実家を出て都内に一人暮らしを始めたので、埼玉の片田舎にずっといた自分にとってはとても刺激的な1年となりました。

Q 1年後、派遣期間が終わって自社に戻ったのですね。その時はいかがでしたか?

戻った最初の3週間ほどは配属先がまだ決まってなくて、やることがない。それが本当に辛かったです。その後は新人教育の部署に配属されました。新入社員にITの基礎知識一般、ウィンドウズ、ネットワーク、オフィス製品の使い方などを広く浅く教える研修のコーディネートしたり、自分自身も授業を持っていました。つまらなくはなかったけど、面白くもなかったかな。

Q その後、以前の派遣先の外資系ソフトウェア企業へ転職されましたが、経緯を教えて下さい。

たまたまオファーがあったんです。それまでも少し将来に対する不安があったので、印象の良かった以前の派遣先への転職を決めました。

Q どのような不安があったのですか?

たまたま変わった課長の人がいて、その人が自分のボーナス額を周りに話してたんです。「こんなもんだぞ(少ないだろ)」と。それで結構みんな驚いて... 課長レベルでその程度か、と。自ら転職活動をしていたわけではないですが、そんなこともあり、チャンスがあれば、とは思っていました。

転職2

Q 知り合いも多い元派遣先への転職ですから、それほど不安はなかったでしょうか?

全くありませんでした。一緒に仕事していた仲間がそのままいましたし、仕事も以前と同じようなことだったので。すべての面で転職してよかったと思いました。会社の将来性もあったし、職場の雰囲気も良かったです。その会社が親会社へ吸収された後もそのままカスタマーサポートで約5年ほど働いた頃、アカウントマネージャー職になりました。

アカウントマネージャーへ転向

Q 特定の企業を担当するサポートですね。ご自身で希望されたのですか?

希望といえば希望ですね。カスタマーサポートにいると、やがて3択を迫られるようになります。お客さんに近づくのか、それとも開発寄りになるのか、または全く別のことをやるのか、と。僕はお客さんに近い方を選びました。つまりアカウントマネージャーでした。そのまま現在に至ります。以前と違ってシフト制ではなくなったので成果は厳しく求められるものの時間の使い方は割と自由になり、気に入っています。

近況

Q とても順調そうに聞こえますが、柳澤さんは漠然とした不安がある、と事前アンケートでお答えになっていました。何に対して漠然とした不安があるのか教えてもらえませんか?

業界の変化が速いので、自分が持っている技術や知識がある日突然役に立たなくなり、その時自分はどうなるんだろう、という不安です。今の仕事は社内のリソースや他部署との連携を駆使して進めていくのですが、では果たして、そういった基礎が全くない組織に移った時にゼロから構築できるのかという不安もあります。自分にはそういう突進力のようなものはちょっと足りないので。。まあ守りに入ってしまっているのかもしれません。自分自身にもそんなに自信がないので、今現在自分がもらっている年収を他の会社でも貰えるのかどうか、と考えると不安です。

Q その不安に対して何らかの対策はあるのでしょうか?

そうですね。自分は今のところ何もしていませんが、新しい技術やトレンドを学ぶ姿勢を身につけたり、他のネットワークに顔を出してみる、自分の人脈を広げてみる、といったことが有効かな、とは思います。

Q 事前アンケートで「人生をある時期からやり直したいと思ったことがある」とご回答されていますが、それはいつで、なぜですか?

高校時代ですね。一番惰性で生きていた気がします。英語をもう少しやっておけばよかったです。どうせ惰性で過ごしていたのなら、いっそのこと留学などして逃げられない環境で身につけたりという方法もあったかなあ、と。それと今、自分のチームを持つようになってコストなどの管理をするのですが、もう少しビジネスとか仕組みに興味を持っていればよかったかなと思います。

Q 何か若い世代の人に訴えたいことはありますか?

2つあります。一つは転職に対する考え方。僕の場合は先を見据えて、とか、やりたいことがあって転職したわけではありません。「今このままだとヤバイ」という漠然とした不安から逃れるための転職でした。過去2回ともそうです。自分の若いころもそうでしたが「目標を見つけて何年後にどうなりたいのか考えて、逆算して今何をすべきか考えろ」と言われることがありますよね。でも自分みたいに出来ない人もいます。でもそれでも何とかなっているっていうことですかね。あとはどんな会社にも良い面と悪い面があり、ただそこにとどまっているときはそれが見えない(悪い面が目につく)ものです。転職をすることによって初めて客観的に感じることが出来ます。ですから転職をしたことがなくて悪い面ばかり見えている人は、転職するのもいいんじゃないかなって思います。

柳沢さん、貴重なお話をありがとうございました。

ありがとうございました!