「94歳が断言”読書が役立つのは30代まで” 」(プレジデントオンライン)

外山滋比古氏の「思考の整理学」を学生時代に勧められて読んだ人は多いのではないでしょうか。30年間で200万部以上売れたロングセラーです。「考えること」が得意になるために必要な思考を「整理」する方法が実践的に書かれていて新鮮でした。

著者の外山氏は現在も94歳にしてご活躍中ですが、以下のインタビューで「読書が役立つのは30代まで」と言い切っています。「習得した知識が役立つのはせいぜい30代まで。40代ともなれば知識だけではダメです。知性を働かせなくては。」

30代をとうに過ぎ、まだ読んでいない本がたくさんある身としてはドキッとするタイトルですが、インタビューを読めば納得です。つまり「読書」=勉強という「知識」重視の受け身の姿勢ではだめで、40代からは自分なりに考える「知性」を磨こうということでした。実はこれ、「思考の整理学」の冒頭の「グライダー」という章で言っていることと同じですね。指導や方向づけがないと飛べない「グライダー人間」ではなく、自力でも飛べる「グライダー兼飛行機人間」になろう、と。外山氏は「グライダー専業では安心していられないのは、コンピューターというとびぬけて優秀なグライダー能力の持ち主があらわれたからである。自分で翔べない人間はコンピューターに仕事を奪われる。」と、その章を結んでいました。30年以上前のことです。

では、知性を働かせるためにはどうすればいいのでしょうか?外山氏は「40代からは自分なりに考えることを心がけよう。そのためには刺激的な友人との会話を大切にし、役に立たないことでも自分の好きなことにとことん打ち込むこと。」と言っています。会話の相手は自分と違う職業の人や、挫折の経験がある人がいいとのこと。

こんな持論を述べている外山氏ですが、自分の本を読んで大真面目に実行するのはダメ、自分の生き方は自分で作るもの、と別のところで発言されていました。いつでも自分の考えで飛びたてるエンジンを積んで、人生後半も主体的に歩んでいけるのが理想ですね。