乗り継ぎが間に合った!日本の航空会社のサービス体験談

日本の航空会社のサービスの良さは外国人の友人たちの間でもとても評判がよく、いつもいい気分です。最近も米系航空会社の度重なる強硬的なまでの搭乗者の扱いがソーシャルメディアなどで物議を醸していました。僕自身も日本の航空会社のサービスにはいつも感心しきりでして、僕が体験したひとつの事例をご紹介したいと思います。

数年前、フランクフルト乗り換えでニースに向かう出張の話です。



予定されていたフライトはフランクフルトでの乗り換え時間が1時間もなくてとても短く、慣れていない空港だったため不安を感じていました。旅行会社が「大丈夫だ」と言ってアレンジしてくれたフライトですら不安だったのに、成田に着いてみると追い打ちをかけるように東京発のフライト遅延のアナウンスがありました。予定通りでもギリギリじゃないかと思っていた上に、遅延です。不安は倍増しますよね。

そのアナウンスを聞いて、僕はソーシャルメディアで「やばい。間に合わないかも。間に合ったらイーサン・ハントと呼んでくれ」などと冗談で書き込んだ所、何人かの友人から「日本の航空会社なら大丈夫じゃない?」というコメントが付きました。このことからも日本の航空会社への信頼度が伺えます。

搭乗してしばらくしてから、CAさんに僕の不安を伝えました。フランクフルトで時間の短い乗り継ぎがあるんだけど大丈夫だろうか、と。すると、すぐに地上スタッフに連絡を取ってくれました。そして、保証はできないが間に合うように頑張ると言ってくれました。

フランクフルトに着くと次のフライトまであと30分というタイミングでした。CAさんは僕を優先的に飛行機から降ろしてくれて、しかも降りたところには地上スタッフの女性が待っていてくれました。そこでバトンタッチ。見事な連携です。そしてその方の最初の一言がとても頼もしかったのです。

「岩田さんですね。お預けになった荷物は諦めてください。ただしニース行きの乗継便への搭乗は間に合うと思います。少し走っていただく必要があります。いいですか?行きましょう」

と言うや否や走り出しました。長時間フライトの後だし運動不足なので、すぐに息が切れました。EUのイミグレーションも彼女のおかげで優先的に請けることが出来ました。そしてまた走ります。走っているときも常に振り返って僕の様子を見ていた彼女は「もう少し頑張ってください。あのドアを抜けたら少し歩きましょう」と言いました。その宣言通り、ドアを抜けて広いところに出た時には歩調を緩めてくれて「いいですか。ここで少し休んでくださいね。また走りますから」と。

再び通路に入ると「大丈夫ですか。走りますよ!」と言って僕を先導してくれました。あまり慣れていない空港でしたが、単にその方の後について行くだけなので迷うこともありませんでした。そして無事、乗継便搭乗中の列に加わることが出来ました。

「良かったです。ご出張ですよね。お気をつけて」

と言うとその方はすぐに去って行ってしまいました。簡単なお礼しか言えず心残りでしたが、その一方、これが日本の航空会社のサービスのスタンダードなんだ(特別なことではないんだ)と思いました。断言しますが、海外の航空会社では、ファーストクラスにでも乗らない限りありえない親切な対応です。各スタッフは各自の持ち場の責任しか持たされていないし、それを超えて何かをしてあげようなどと思う人はいません。顧客の旅程全体の満足度をカバーする人が存在していないんです。おそらく多くの人は、海外のサービス業で「とにかくダメ!」と言われた経験があるのではないでしょうか?(ただしチップがあるアメリカのレストランなどは別です。ものすごく丁寧対応してくれます笑)。役割が明確に割り当てられているため、それ以外のことに関してはサポートしてくれません。日本人的にはサービス業に従事している人だけではなく、常識的に「なんとかしてあげたい」気持ちが湧いてくるものですよね。その基本が日本のサービス業にはビジネスとして、役割として、または社内文化として定着しているんですね。

おかげで僕は大事なミーティングに遅れることもなく、かつ荷物も翌日に届いて無事に出張を終えることが出来ました。

日本ではあらゆることが高度にサポートされていて、それを当たり前だと思うところがあります。でもこのサービスひとつ取っても、外国人なら感動すら覚えるレベルです。日本人一人一人が、この誇れる日本の「常識」をもっと意識して、感謝し、それが世界標準では決して無いことを認識するべきだと思います。今回の例のようなことはたくさんあります。また時々ご紹介したいと思います。

念のため付け加えておくと、海外の航空会社でも感動するようなサービスを受けることはあります。前回のロンドン出張時のBritish Airways (BA)では機内でワインをこぼしてしまった僕に物凄く手間のかかる丁寧な対応をしていただきました。でも海外の場合は会社というより、たまたまその方の性格によるところが大きい気がします。同じ航空会社で違う体験をすることもありますので。

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