日本の大学の社会人比率は2.7%

まず、下記のチャートを御覧ください。



経産省が出しているこちらの資料からの抜粋です(p.154)。

25歳以上の大学(*)への入学者の割合です。2013年なので少し古いですが、OECD加盟国の平均20.6%と比較して日本は2.7%ととても低い事がわかります。理由の1つとしては、日本は豊かなので高校卒業してすぐに(親のお金で)大学に行ける人が多いという側面もありますが、周りを見渡してみても社会人が大学に通うとか、社会に出た後で大学に戻る、といったことは日本では一般的ではありません。

*大学型高等教育機関


大学院生の年齢分布

大学院についても同様です。下図参照。



こちらは日本の社会人大学である、産業技術大学院大学がまとめた資料からの抜粋です。日本では大学卒業直後の21歳〜24歳の学生が7割以上を占めています。(産業技術大学院大学は頑張ってますね!)


もちろん良い悪いということは一概には言えませんが、日本では多くの人は高校、大学、大学院、と直接進むという1パターンしか無く、人生の送り方の多様性は他国と比べて少ないだろうということは予測できます。人間は様々で多様なのに大学、大学院に行く年齢に多様性がないというのは、誰かが何処かで可能性を活かしきれていないのかな、と推察してしまいます。


日本人の人生は就職まで一直線で、一方通行

日本では高校、大学、大学院、そして就職、という一方向へ進み、戻るケースはとてもまれなようです。社会人になった後「もっと大学で基礎知識を身につけるべきだったから学び直したい」とか「他のことに興味が出たから、それが学べる学部に入り直そう」という発想には至らないようです。


もし仮に日本では、学生時代に社会人の話をたくさん聞くことが出来て、自分の人生をシミュレーションする機会が他国よりも遥かに豊富なのであれば、納得することが出来ますし、転職が少ないことにも説明がつきます。学生のうちに生き方、可能性、自分の人生について他国の学生に比べて沢山考える機会などが存在しているなら「なるほど、だから学生をやり直そうという人が少ないんだ」「転職も少ないんだ」と考えられるのですが、そうではなさそうです。僕はよく「自転車に最初から乗れた人はあまりいない」という喩えを使います。人生もそうじゃないかと思うんです。社会人の人たちが、よく分からない閉塞感に悩んだりしていなければ良いと思っています。


さらに考えていくと、日本の大学や大学院への進学は、就職と分離しているのかな、とも思います。だから社会人になった後に大学に戻ろうという考えが起きない、と。


一方、日本の大企業の良い点は、新入社員への社会人教育を企業として手厚く実施していることでしょう。海外の人にその話をすると驚かれます。終身雇用時代の名残から、企業が新入社員教育、という形で社会人教育を肩代わりしているのが今の日本なのかも知れません。


社会人大学の制度

補足ですが、社会人大学の様々な制度もあまり知られていないようです。

例えば上記の産業技術大学院大学の場合、厚生労働省が運営する雇用保険の給付制度の一つ、教育訓練給付制度を使うことが出来ます。この制度を使うと社会人がこの大学院大学に入学して勉強すると授業料の60%が戻ってきます。社会に出てから勉強するほうが「お得」と言えるかもしれません。


未来スケープでは、人生インタビューに加え、このような他国との比較について取り上げたり、あまり知られていなそうな便利な情報を集めて公開し「考える機会」を創出していきたいと思っています。